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【書評】関朝之著「新装版 高野山の案内犬 ゴン」(雑記)

犬と生活していると時にその純真さに心を打たれることがあります。

私や妻が落ち込んでいるときに顔を舐めて慰めてくれたり、寂しい時にそっと寄り添ってくれたり、打算のない素直な心が私たちの心を癒してくれます。

この本は和歌山県九度山町の慈尊院から高野山まで参拝者を案内し続けた元のら犬・ゴンのお話です。

以前、NHK・BS「新日本風土記」の日本犬の回でも取り上げられたことがあるのでご存知の方もいらっしゃると思います。

九度山町に住み着いた白い雑種犬・ゴンが、誰に教えられたわけでもないのに高野山まで参拝者を案内する。

先に進んでは参拝者を待ち、分かれ道では迷わないように参拝者を待っている、そして後は参拝者だけでもいけるところまで来ると、一人で九度山町まで戻っていく。

決して楽ではない道のりを見返りを求めずに行くゴンの道案内を著者は「やさしさがなければできない」と感じています。

縄文の昔からパートナーだった犬には、自然と人間を思いやる習性が備わっているのかもしれません。

それが人間に対するやさしさとして伝わってくるのではないかと思います。

ゴンが参拝者を本当に導いていた先は、打算なく他者に報いる心だったのではないか。

そう思わせてくれる本でした。
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by inutoma | 2014-12-04 10:43 | 雑記